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バックスクワット

バックスクワットの効果とやり方

バックスクワット

バックスクワットとは、バーベルを両肩に乗せて立った状態から、しゃがむ動作を繰り返すトレーニングです。下半身全体の筋肉を鍛えることができます。

 

しかし、間違ったフォームで行うと怪我の原因になることもあるので、正しいフォームを学んで行いましょう。


「SCK-GYM」代表パーソナルトレーナー稲葉裕哉監修

東京都文京区「SCK-GYM」代表パーソナルトレーナー稲葉裕哉 監修。子どもから高齢者の方まで多くのクライアントの身体に対する悩みや問題を解消。アスリートへのトレーニング指導も担当している。

資格:CSCS、NSCA-CPT



バックスクワットで鍛えられる筋肉

バックスクワット1つで、お尻・太もも・ふくらはぎ・背中など、下半身全体の筋肉を鍛えられます。その中でも特に鍛えられると言われている筋肉は、以下の3種類です。

・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

・ハムストリング

・大臀筋(だいでんきん)

それぞれの筋肉を鍛えることで得られるダイエット効果についても紹介します。


大腿四頭筋

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの表側にある4つの筋肉から形成されています。

 

・大腿直筋(だいたいちょっきん)

・内側広筋(ないそくこうきん)

・外側広筋(がいそくこうきん)

・中間広筋(ちゅうかんこうきん)

 

全身の筋肉の中で最も大きい筋肉といわれているのが、この大腿四頭筋です。

人間の体の中で最も大きな筋肉であることから、代謝アップにも効果的。ダイエットやスポーツをする方は、積極的に鍛えておきたい筋肉です。


ハムストリング

ハムストリングは、太ももの裏側にある3種類の筋肉から形成されています。

 

・大腿二頭筋(だいたいにとうきん)

・半腱様筋(はんけんようきん)

・半膜様筋(はんまくようきん)

 

骨盤(座骨)と膝下の裏側にあり、走ったり跳んだりする動作に重要な役割を担っている筋肉です。大腿四頭筋と同様に、鍛えることで基礎代謝のアップにもつながります。

また、ハムストリングを鍛えることで、脚全体が引き締まった印象に見えるため、スタイルアップ効果も期待できます。


大臀筋

大臀筋(だいでんきん)は、お尻の筋肉の中で特に大きな筋肉です。

ダイレクトにお尻を鍛えられる筋肉なので、ヒップアップ効果が高まります。

綺麗なヒップラインを目指している方にとって、大臀筋を鍛えることはとても重要です。


バックスクワットの効果

ヒップアップ

バックスクワットの効果は4つあります。

 

・ヒップアップ

・脚痩せ

・基礎代謝のアップ

・体幹の安定性アップ

なぜ、バックスクワットにこれらの効果があるのか詳しく解説します。


ヒップアップ

バックスクワットを行うと、お尻の筋肉である大臀筋や太もも裏のハムストリングを鍛えられるので、ヒップアップ効果があります。

お尻が垂れ下がる原因は、運動不足などでお尻の筋肉が低下し、脂肪の重みに耐えられなくなるからです。

スクワットで大臀筋を鍛えることでお尻が引き上げられます。加えて、お尻と太ももの境目もくっきり分かれるので、ヒップラインもきれいに見えるようになります。


脚痩せ

バックスクワットでは、下半身全体が鍛えられるので、脚痩せの効果も見込めます。

お尻と太ももを使わなければ、筋肉がどんどんたるみ、ポチャッとした印象になってしまいます。しかし、バックスクワットを行うことで、太もも裏の筋肉も鍛えられ、脚がスリムになります。


基礎代謝のアップ

バックスクワットを行うことで、基礎代謝もアップします。その理由は、体の中で最も大きい太ももの筋肉を中心に鍛えられるので、筋肉量が増加しやすいためです。

 

筋肉量が増加すると、体の中で以下のような変化が起きるため、痩せやすく太りにくい体になります。

・お尻や太ももの筋肉が増加

・基礎代謝がアップ

・脂肪燃焼の効果が高くなる

・消費カロリーも上がるので、太りにくくなる

そのため、ダイエットにもってこいのトレーニングです。


体幹の安定性アップ

バックスクワットを行うことで、腹筋や脊柱起立筋といった体幹にも刺激が入ります。

 

正しいフォームを意識することで、バランスが取りやすくなります。体幹が強くなるとスポーツのパフォーマンス向上や姿勢改善の効果も見込めます。

 

下半身を中心に、全身に刺激が入ることもバックスクワットのメリットです。


バックスクワットのやり方

ここでは、バックスクワットの正しいやり方を紹介します。姿勢に気をつけて実践してみましょう!

 

1.両足を肩幅程度に開く

2.つま先をやや外側に向ける

3.僧帽筋の上にバーを担ぐ

4.お尻を後ろに突き出すように腰を落とす

5.太ももが床と並行になったら一度静止する

6・ゆっくりと元の姿勢に戻す

重量は、10回で限界が来るくらいの重さを担ぎ、インターバルを挟んで3セット行いましょう。

 

バーベルを担ぐ分負荷が大きくなるので、正しいやり方で行わないと体を痛めてしまうリスクが大きいので要注意!

 

最初は鏡を見てフォームを確認しながら行いましょう。


バックスクワットのポイント

バックスクワットを効果的に行うには、正しいフォームをとることが重要です。誤ったフォームでは、効果を感じないばかりか、腰や膝を痛める原因にもなってしまいます。

 

バックスクワットのフォームは以下の点を押さえましょう。

 

ポイント

・目線は正面に向ける

・背筋を伸ばしてお腹に力を入れる

・ゆっくりとした動作で行う

・膝とつま先の向きを合わせる

・膝を前に出しすぎない

それぞれのポイントを解説します。


目線は正面に向ける

バックスクワットをするとき、目線は正面に向けるようにします。

 

目線が下を向いてしまうと猫背気味になり、バランスを崩す原因になります。目線を正面に向けると背筋が伸びやすくなり、腹筋や体幹にも刺激が入るので、ぜひ意識してみてください。

 

逆に、上を向いてしまうのも危険です。目線を上に向けすぎると背中が後ろに張り出し、重心が後ろに向いて転倒する原因にもなりかねません。

 

正面に鏡がある場合は、自分の姿を見ながら行うと目線が正面に向きやすくなります。


背筋を伸ばしてお腹に力を入れる

バックスクワットをする際は、背筋を伸ばしてお腹に力を入れましょう。お腹に力を入れてスクワットを行うことで、体をうまく支えられ、フォームが安定します。

 

お腹に力が入っていないと腰が反りやすくなり、腰痛を引き起こしかねません。

 

特に、普段から猫背の姿勢になりやすい方は注意してみてください。


ゆっくりとした動作で行う

筋肉に高い負荷をかけるためには、ゆっくりとした動作でスクワットをしましょう。その理由は、ゆっくりトレーニングした方が、筋肉に負荷をかけられる時間が長くなるからです。

 

負荷をかけた時間が長いほど、スクワットの効果は高まります。

 

ただし、筋肉の瞬発力を上げたい方や心肺機能を向上させたい方は、早いテンポで高回数を行うのがおすすめです。この場合は重量を落として行いましょう。


膝とつま先の向きを合わせる

バックスクワットを行うときは、膝とつま先の向きを合わせるようにしてください。高重量を扱うと膝が内側に入りやすくなります。

 

そのまま無理に立ち上がろうとすると、膝を痛めてしまいます。

深くしゃがみ込むこともできず、期待する筋トレ効果が得られにくくなるので、注意が必要です。

 

つま先をやや外側に向けると膝が外に向きやすくなるので、意識してみてください。


膝を前に出しすぎない

バックスクワットでは膝が前に出過ぎると、怪我のリスクがあります。

 

つま先より極端に膝が前に出ないようにしゃがみ込むようにしましょう。イメージとしては、椅子に深く腰掛けるように、お尻をやや後ろに突き出すと良いです。最初はバーベルなしで、椅子に座るようなフォームを練習してみてください。

 

どうしても膝が前に出る場合は、股関節が硬すぎる可能性もあります。ストレッチを並行して行い、股関節の可動域を広げることできれいなフォームを保ちやすくなります。

 

また、体重はかかと側に載せるイメージを持つこともおすすめです。かかとを浮かさないように意識してみてください。


バックスクワットの注意点

バックスクワットを行う前に、ストレッチを行うようにしましょう。

 

筋トレ前に行うストレッチは関節の可動域を広げて柔軟性を高める動的ストレッチがおすすめです。

 

動的ストレッチをバックスクワットの前に行うことで、怪我の予防につながります。

 

また、バックスクワットで扱う重さは、自分のレベルに合った重量を選ぶことも重要です。早く効果が欲しくて重すぎるバーベルを持つと、フォームが崩れやすくなります。

 

必ず適切な重量と正しいフォームで行いましょう。


まとめ

バーベルを体の後ろに担いで行うバックスクワットは、下半身を中心に全身を鍛えられるトレーニングです。

 

特に足回りには大きな筋肉が集まっているため、代謝を上げたい方にはぴったり。ヒップアップや足を引き締める効果も期待できるので、バーベルなしのスクワットになれたらぜひ挑戦してみてください。

 

ただし、負荷が大きくなる分フォームが崩れやすいというデメリットもあります。まずは無理せず、正しいフォームを身につけてから徐々に重量を上げて行いましょう。